HIT インフラミュージアム

配置図

1.PCT桁(セグメント)

PCT橋の定着部構造や維持管理技術を学ぶための展示です。PC鋼材のシース管とPE管、横締めに用いるPC鋼棒とPC鋼より線を比較できるほか、3Dプリンターで復元した上縁定着部により内部構造を分かりやすく学ぶことができます。また、グラウト未充填部を設け、内視鏡カメラによる調査体験を通じて点検技術への理解を深めることができます。

2.プレテンホロー桁

プレテンション方式PC橋の構造を分かりやすく学べる展示です。横締め孔、横締めPC鋼より線・PC鋼棒、鉄筋配置、中空断面などを見える化し、内部構造を観察できるよう工夫しています。特に、桁端部のボンドレス区間は実際の構造を再現しており、プレテンション方式における付着の考え方や維持管理上の着目点を学ぶことができます。

3.メンテナンス橋梁(青い森の橋)

メンテナンス橋梁「青い森の橋」は、橋梁の維持管理や補修技術を学ぶための実物大の学習橋梁です。上部工は単純鋼H桁橋(2径間)、下部工は逆T式橋台および壁式橋脚、橋長は16.15mです。主桁には耐候性鋼材を使用し、床版に設けた明かり窓から雨水が当たる構造とすることで、さびの発生や経年変化を観察できるよう工夫しています。耐候性鋼橋の点検・維持管理技術を学ぶことができる施設です。

(1) 鉄筋の変遷

<床版上面>

SPAN2の床版では、左から右へ時代の流れに沿って材料や構造の違いを学ぶことができます。①丸鋼と川砂利、②異形鉄筋と砕石、③エポキシ樹脂塗装鉄筋を使用しており、鉄筋量も各時代の設計基準に合わせて再現しています。

<床版下面>

床版下面では、型枠材料や補修技術の変遷を学ぶことができます。左から①セメント袋、②無垢材、③型枠合板を配置し、④床版補強、⑤床版端部打下ろし構造など、時代ごとの構造や補修方法の違いを比較しながら学習できます。

(2) 伸縮装置

高欄は機能の異なる4種類を設置し、それぞれの特徴や役割を比較しながら学ぶことができます。また、床版防水工はシート系と塗膜系の2種類、排水装置のスパイラルパイプは樹脂製とステンレス製(SUS)の2種類を展示しており、構造や材料の違いを実物で確認することができます。

(3) 排水工、支承

排水工では、水仕舞いの良否による違いを実際に見比べながら、適切な排水の重要性を学ぶことができます。また、パッド支承や分散支承など4種類の支承を設置し、橋を支える仕組みや特徴について理解を深めることができます。

(4) 高欄

高欄は機能の異なる4種類を設置し、それぞれの特徴や役割を比較しながら学ぶことができます。また、床版防水工はシート系と塗膜系の2種類、排水装置のスパイラルパイプは樹脂製とステンレス製(SUS)の2種類を展示しており、構造や材料の違いを実物で確認することができます。

(5) 床版補強

床版補強では、張出し床版下面および床版中央部に炭素繊維シート接着工を、右側の張出し部上面には炭素繊維形成材による補強工を採用しています。補強位置や工法の違いを実際に見ながら、床版補強技術について学ぶことができます。

(6) 水切り、剥落防止、塗装、踏掛版受台

新橋タイプ、L型(SUS製)、プラスチック面木などの水切りを設置し、それぞれの特徴や排水効果の違いを学ぶことができます。また、剥落防止シートは施工手順が確認できる展示とし、塗装鋼板では鉛やPCBの含有箇所を可視化することで、塗替塗装時の留意点について学習できます。さらに、踏掛版受台は内部構造が確認できるよう半分をスケルトン化し、構造の仕組みを理解しやすい展示としています。

(7) 落橋防止システム

A1橋台には落橋防止チェーンと水平力分担構造を設置し、兼用タイプと機能分離タイプを比較して学ぶことができます。また、PC鋼より線やPC鋼棒による桁連結構造、縁端拡幅構造を展示し、各種落橋防止システムの仕組みを学習できます。曲げ照査の鉄筋は赤色、せん断照査の鉄筋は青色で表示し、耐震設計を分かりやすく理解できるよう工夫しています。

4.電気防食施設

外部電源方式と流電陽極方式による電気防食設備を展示し、直流電源装置を用いた防食効果の確認や維持管理技術を学ぶことができます。展示は古い時代の工法から最新技術まで順に配置されており、技術の進歩や変遷を体感的に学習できます。また、QRコードによる解説機能を備え、実物を見ながら理解を深められる施設となっています。

5.劣化部材展示

支承の金属溶射部材、ASR(アルカリシリカ反応)により劣化した床版、補強されたリベット継手、F11Tボルトなどの実物を展示しています。実際の劣化事例や補修・補強技術を間近で観察することで、インフラ維持管理に関する理解を深めることができます。

6.老朽化橋梁(青森県AM点検士試験)

青森県AM点検士試験で活用されていた74年供用のRCT桁「梅田橋」を五所川原市から移設し、実橋を活用した体験型学習施設として整備しています。橋梁の劣化状況や露出した鉄筋を直接観察しながら、耐荷力評価や補強設計、固定・可動支承の仕組み、鉄筋探査などを学ぶことができます。次世代のインフラ維持管理技術者の育成に貢献する施設です。

7.RC巻立て橋脚

橋脚の耐震補強技術を学習できる施設です。支承には、免震ゴム支承や分散ゴム支承など耐震性能に配慮した構造を展示しています。橋脚の鉄筋はスケルトン化しており、橋脚内部の配筋状況や梁・フーチングの役割を視覚的に確認できます。さらに、耐震補強で重要となる中間貫通鉄筋の配置についても学ぶことができます。

HITインフラミュージアム紹介動画

動画は順次掲載予定です。しばらくお待ちください。

各種パノラマ

VR動画を用いた遠隔地からの橋梁学習

こちらにはyoutube上のサンプル動画を掲載する予定です。

実際にVR体験をご希望の方にデータを提供できるよう調整中です。掲載までしばらくお待ちください。

ごあいさつ

HITインフラミュージアムは、八戸工業大学からお声掛けいただき、産官学の皆様のご協力のもと整備された社会貢献施設です。当社もその取り組みに参画し、私は設計・監修を担当しました。

私自身、長年にわたり橋梁の設計や維持管理に携わる中で、多くの橋と出会い、先輩技術者から貴重な知識や経験を学んできました。そして、その技術や想いを次の世代へ受け継いでいくことも、私たち技術者の大切な使命であると考えています。

そのため本施設は、私が長年橋と向き合う中で培ってきた経験や知見、そして次の世代へ技術を伝えたいという思いを込めて設計しました。橋梁の構造や点検・補修技術を、実物に触れながら学べるよう様々な展示や工夫を取り入れています。この施設が地域の人材育成の拠点となり、技術と経験を未来へつなぐ学びの場として活用されることを願っております。

株式会社キタコン 取締役 藤田 弘昭

 

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